地獄の予感がする2016年も最初の一ヶ月はなんとかやり過ごすことが出来た。
あと11ヶ月。どんな苦難が待ち受けているものやら、、、

先日タイトルの映画を見ました。
今年二本目。去年は年間たった3本だったのでいいペースです。

正直この映画は前評判が良くなくて、本当はブリッジ・オブ・スパイが見たかったが、
時間が合わなくてこれにしました。

1800年代のアメリカ文学の古典的名作「白鯨」は読んだことが無いですが、
宗教色が強く、説明文が異様に長く、恐ろしく読みにくい代物だという評判です。
この映画は白鯨を書いた作者が、作品を書くにあたって取材して聞いたエセックス号
という名の捕鯨船と乗組員の話を描いています。

小説「白鯨」はここで聞いた話をアレンジしたフィクションであり、よってこの映画は
小説白鯨の映画化ではなく、その元ネタであるエセックス号の航海の話です。

前置きはそこまでにして映画の中身ですが、
確かに評判のように、面白いと言い切れる物ではなかったですが、
音響や映像の迫力など、さすがロン・ハワードと思わせるところもあり、
すくなくともフォースの覚醒よりははるかにましでした。
でも映画館じゃなかったらきっとつまらないです。
若干話が地味過ぎたと思う。

今は日本の捕鯨が世界から批判されているが、当時はアメリカでも捕鯨は盛んだった。
ただ、日本のように肉を食するのではなく、鯨油という油を捕るためで、
肉は食わずに捨てるそうである。勿体ない。
まだ、地上で石油が採掘される前の時代の話です。

捕鯨船エセックス号が鯨油を捕りに遠洋に行く、
船長と一等航海士を中心に鯨狩りに奮闘する様を臨場感たっぷりに映してます。
今でいう、ベーリング海のカニ漁みたいな過酷な仕事のようです。

一等航海士で主人公でもある男はチェイスという名前ですが、
これが小説の白鯨ではスターバックという名前で、これは後の
スターバックスコーヒーのネーミングの由来になったのは有名な話である。
私は知らなかったが、、
まるで米のハードボイルド小説に出てくる探偵の名であるマーロウが、
横浜を中心とする有名プリン店のネーミングの由来であるのと同じノリだ。
(スケールが全然違うが。)

さて、映画の捕鯨船は鯨がほとんど捕獲できずノルマが果たせない。
立ち寄った島で、鯨の群れが棲息する海域があることを聞く。
しかしそこには化け物の白鯨がいて無事では済まない、
と語る男は白鯨によって片腕を失っていた。

捕鯨船は迷わずその海域に行き、群れに遭遇する。
喜びもつかの間、超巨大白鯨が現れて船は破壊され、船員は3捜の手漕ぎボード
で逃げ出し漂流する。

白鯨が現れるシーンは迫力があるが、登場時間は少なく、若干物足りない。

ボートで漂流してからは、漂流記のような別の話になってくる。
食料が尽き、病気や餓死で死んだ船員を残りの船員が食料にする。
やがてくじ引きで殺す人間を決め、殺して食料にしたり、、、
壮絶ではあるが、なんか既視感のある話である。

氷点で有名な作家、三浦綾子の「海嶺」という小説が、
こういう難破船が漂流して人が段々死んでいく話だった。
良く似ている気がする。
白鯨の方が古い小説だけど。

3捜のボートははぐれ、一捜は見つからないまま。
途中無人島に残った人もいたりするが、約三ヶ月の漂流の後、
最後は数人が他の船に発見されて生還します。

とまぁ、簡単に書くと
こんな内容です。
地味ながらも、ロン・ハワードの才能の片鱗はまだ健在しているようだし、
彼の今後の作品に期待は持てると思う。

次こそは、面白かったと断言できる映画を見たい。。