
ミッキー・ローク主演。確かアカデミー主演男優賞にもノミネートされたんじゃないかと思う。
ミッキー・ロークと言えば80年代、超イケメンでナインハーフとかエンゼルハートとかに出ていた。
たしかボクシングでへなちょこな試合を披露して、それから転落していったっけ。
それから20年。
太って変わり果てた醜い姿になっていたが、この作品では見事にはまり役でした。
昔名声を馳せ、今はすっかり落ちぶれている現役プロレスラー役。
この演技が見事で、本当に元レスラーやってたんじゃないかと思うほどでした。
プロレス業界の内情をドキュメントのようにリアルに見せます。
苦しい経営、痛々しい流血シーン(当然ながら全て段取りされている)、
体を作るための薬漬け、仲の良いレスラー仲間達、試合後の怪我の手当て、
痛々しいテーピング、プロレスだけでは生活できなくてスーパーで働く様子など。
プロレスラー達になんか好感を持ってしまいます。
だからと言ってプロレス見ようとは思わないですが。
ミッキー・ローク演じるランディは試合後に心臓発作で倒れ、引退を決意します。
昔ないがしろにした娘との関係改善に努め、気にかけていたストリッパーとも
いい感じになって、人生が開け始めた矢先、、、
酔っ払ったせいで娘とのデートをすっぽかしてしまい、娘に捨てられる。
ストリッパーとも「客以上の関係にはなれない」と言われ、キレてしまう。
自業自得ながら、プロレス以外で生きる世界は無いと悟ったランディは引退を撤回し、
20年前一世を風靡した試合と同じ相手との記念試合に出場する。
試合中、心臓発作が再発する。
相手選手もレフリーも気付き、早く試合を終わらせようとするが、
ランディはそれを断り、リングのコーナーに昇り自分の得意技を決めようとジャンプする。
そこで映画は終わり。
ブルース・スプリングスティーン(だと思う)の歌でエンドクレジットが出て終わります。
きっとあの後ランディは死に、娘やストリッパーはそのことを後に知るかどうかわからんが、
知ったとしても数日後には何も変わらない日々が続く。
人生はそういうものなのだ、ということを言いたいのかな。と想像しました。
女性には顔をそむけたくなるシーンが沢山ありますが、なかなかいい映画でした。