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ちょっと前小学6年生の女の子がいじめ自殺をして問題になりました。
娘と同じ年なのに可哀相だった。
そんな昨今にこの本を読みました。
人気の本ということでだいぶ前に図書館で予約して、今頃回ってきた。

内容は中学生のいじめ自殺を題材にした小説です。

主人公は自殺した子の遺書に「親友」と名指しされた少年。
親友と言っても、仲が良かったのは小学校低学年まで、その後は友達以下のような関係。
いじめのことも知っていたが、被害が及ぶのが嫌で関わらないでいた。
そんな重い罪悪感を背負いながらその後の20年を過ごすという話です。

主人公の内面の描写がとても多く、その点が村上春樹風でもある。

正直、現実離れした内容です。
おそらく自殺した子から見た、死後のまわりの人の人生がこんなのだったらいいなぁ、
という理想を小説化したような話です。

現実世界ではクラスメートが自殺したところで、最初数ヶ月はショックを引きずるかもしれないが、
その後は何事もなかったかのように日常に戻るものである。
ところがこの作品では主人公と、自殺者に片思いされて遺書に「ごめんなさい」と書かれていた女生徒までもがその後20年ほどに渡って彼の死を背負って生きていく。
いくらなんでもあり得ない。

またいじめの加害生徒二人も遺書に「地獄に落ちろ」と名指しされ、その後札付きの不良になり事故死する。
ありえない。
現実の世界では、そういう奴ほど出世して幸せになるものである。

自殺者の母親にいたっては、もう一人子どもがいるにも関わらず、心を病み20年ぐらいほとんど寝込んだ末死んでしまう。
人間としてあまりにも弱すぎる。
最愛の息子だから1年ぐらい寝込む人はいると思うが、ここまで徹底されては残った子どもが可哀相である。

という感じでほとんど共感できないながらも読みやすくて一気に読みました。

興味があったのは作品中に出てきた「森の墓地」という場所です。
世界遺産になっているスウェーデンの森の中に立てられた幻想的な墓地なのだそうな。

現実の小学6年女子のいじめ自殺の話に戻る。
彼女の母はフィリピン人(年齢は知らない)で、父は今50歳だそうな。
両親はフィリピンパブで知り合って結婚したんだろうか?
などと下品な想像をしてしまう自分がいる。

もし自分がその女子のクラスメートの父親だったら、家の中でそんな下品な話をして
それを聞いた子どもが学校でその話題を広めていじめがエスカレートするってこともあり得る。

そんなことを考えると、自分もいじめ自殺の一分子で極めて有害な人間であると自覚する。