西原理恵子の表題の漫画を最近、図書館で借りて読みました。
一部で絶大な高い評価を受けているようなので、どんなんかなと思って。
上中下巻の文庫本でした。

読んだ感想。
先ず絵が下手である。
蛭子能収の次ぐらいに下手かも。。

ストーリーの簡単な紹介。
海と山に囲まれた底辺の田舎町を舞台にした、親に捨てられた極貧の3人姉弟を中心とした人間模様。
この町に住む大人の男はほとんどがヤクザか浮浪者。
女はほぼ100%が売春で生計を立てている。
そして男女問わずほとんどが麻薬中毒になっている。
よって平均寿命は短い。そういう設定である。

これは西原理恵子の出身地の高知の田舎町がモデルとも言われているが、たぶん嘘である。
いかに40年以上前と言えども、日本にそこまで悲惨な地域は無いだろう。
シエラレオネの紛争地帯や、南米のスラム街の生活みたいである。
死刑囚永山則夫の子供時代もこんなんだったのかも。

西原理恵子はテレビで見たどこかの講演会で、
子供時代を過ごした高知は、まだ男が女に暴力を奮うことが許されていたところで、
女は皆不良に犯されて若くして子供を産んでた。
こんな暴力の中で一生が終わるのが嫌で東京に出た。
みたいなことを言ってた。

きっと、出身地が大嫌いなのだろう。
だから子供時代の悲惨な生活をさらにデフォルメした設定にして、
出身地の当時の大人達を蔑みたかったのかなぁと思ったりもする。

ストーリーの続き、
主人公3姉弟は住む家も奪われ(母親が売っぱらったから)、姉かの子が愛人に与えられた家に住む。
そんな、売春で生活する姉を見ていられない長男一太は、家を出てヤクザに弟子入りする。いつか失った家を買い戻そうと思っている。
稼ぐ方法は、麻薬の売買、トルエン等を工場から盗み転売、生活保護者からイカサマ賭博で金を巻き上げる、浮浪者に当たり屋をさせて病院から治療費の一部を賄賂で貰う、人を殺す、等等。
なかなか参考になる。
一太が家を買い戻そうとしてることを知ったかの子は、旧家に放火して消失させ、夢を諦めさせる。
失意の一太は、ヤクザ仕事で半殺しの目にあったこともあって、町を完全に捨てて遠くでおでん屋をする。
そしてかの子は、幼い弟二太も養子に出して一家は完全に離散して終わる。

こんな話でした。
かの子の行動は、こんな町に男がいつまでも居てはいけないから、出て行かせたということだろう。そして自分はいつまでも売春を続ける。

絵はほのぼの系でありながら、内容はこんなシュールでした。
面白いという程でも無かったが、底辺を直視させるような投げやりなストーリーが私好みではありました。
毎日かあさんとは違って、決してテレビ放映はできない漫画です。
映画化はされたらしいが全然売れなかったそうである。

今やすっかり勝ち組になって故郷を見返した感のある西原だが、
高須医院長をパトロンにしてるあたりは、当時の生活パターンがまだ抜けないのだろうか。。