自分は幼少の頃から高校野球を見るのが好きだった。
社会人になった頃から見なくなってきたが、
老人に近い年になって、再びよく見るようになった。
去年娘の在学する高校が甲子園に出たことも大きい。

今年はオリンピックと高校野球がほぼ同じ時期に開幕、閉幕する。
自分は断然高校野球観戦派だった。

五輪開催のブラジルは治安などいろいろなところに不備があると
いう話もあり、本当に五輪なんて開催できるんかいな、
というぐらいの認識だったが、始まってみると、ちゃんと運営されており
日本が近年に無い程のメダル獲得をして多いに盛り上がっている。

逆に高校野球の方はどうか。
プロ注目投手のBIG3などの話題も盛り上がっていて、観客は確かに連日ほぼ満員。
しかし途中から白けた展開が目立ち、決勝戦を残す現在は
作新学院以外の強豪校は皆不完全燃焼な形で姿を消した。

BIG3のうちの2投手が激突した2回戦の履正社vs横浜戦。
先のブログで私は横浜の圧勝を予想したが、結果は逆だった。。
原因は横浜が控え投手を先発させたこと。
この控え投手もドラフト候補の良い投手だったが、優勝候補相手の先発は荷が重すぎた。
リリーフしたエースが履正社打線をほぼ抑えたので、釈然としない敗戦だった。

しかし今になって考えると、このような負け方は昨今は強豪校のトレンドに
なっているようだ。
横浜を倒して優勝候補筆頭になったはずの履正社は3回戦の常総学院戦で
横浜と全く同じことをしてあっさりと完敗する。
その常総も次の試合でエース(これもドラフト候補)が早い回に2点取られて
3回しか投げずにマウンドを降りる。そして完敗する。

ちなみにBIG3のもう一人がいる花咲徳栄も3回戦で完敗。
そのエースは先発せず大差を付けられてからのリリーフだった。
というわけでBIG3の3人はいずれも負け投手にはならずに甲子園を去った。

つまりプロからの指名が確実な投手を擁する学校は、はなから優勝する気がない。
1つぐらい勝って甲子園を楽しめたら良くて、あとは早めに負けようとする。
指導者を含めてこういう結論になっているのだろう。
負けた後、全く悲しそうな表情を見せないのもそのせいだろう。

たしかに酷暑の中で体力を消耗するより将来のプロでの収入の方が大事である。
去年、ドラフト1位でソフトバンクに入った県岐阜商の投手は去年夏の予選では、
肩が万全で無いという理由で登板せず、控え投手で予選敗退していたのもその流れ。

そういう現実がわかってしまった今、甲子園優勝校は強豪校ではない。
という知ってはいけない事実を知ってしまった気がする。
そして、今まで人生の楽しみの一つだった高校野球観戦が急速に色褪せて
しまったのでした。

4年後の東京五輪では野球が正式種目になるらしいが、きっとプロの一線の選手
は出場しないだろう。
高校生ですら、こんな現実的なんだから、大人の選手が収入に直結しない名誉など
には興味を持つわけがない。

 
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