精神科入院中の生活は、簡単に言えば
「労働の無い刑務所」
でした。

部屋は個室、四人部屋、八人部屋があった。
八人部屋などはとても人間扱いとは言えない酷い環境ですが、恐らく生活保護を受けてるような人達が入ってると思われた。

自分は個室に入ったが、おかげで部屋代が一日五千円以上もして大出費だった。

食事は三食出たが、病院食なのでうまくは無い。しかも食器がとても古くて傷だらけで、見るからにまずそうだった。
患者に対する病院の態度の表れなのだろう。
一番まともな食事は朝ごはんの食パンにマーガリンとジャムをぬったものだった。

入浴は週にたったの二回のみ。
夏前に退院したが、夏になっても週二回だったら自分は耐えられなかっただろう。
入浴と言っても、オムツをしてる老人達と一緒に入るので、湯船には決して入らずシャワーのみだった。

他には週二回運動療法があった。
と言っても自転車マシンを漕ぐだけで、20分ほどで終わってしまう。

治療らしいことは主治医の診察が週一回15分ぐらい、心理士のカウンセリングが週一回40分ぐらい。
看護士による体温血圧脈拍測定が毎日五分ほど。

基本的にやることはこれぐらいで、あとは自由でした。
自由と言っても、外出不可なので
共有スペースでテレビを見る、院内の廊下を徘徊する、部屋で寝る
ぐらいしかすることは無い。

この時の自分は、他の患者と接触しようという気は全く無かった。多くの患者が統合失調症か痴呆症で、失礼ながら動物園にいるようだった。

逆に医師や看護士などスタッフの人にも自分から話しかけることは無かった。
自分にすっかり絶望してしまっていた私は、まともに生活してる彼等とは、恥ずかしくて関わることは出来なかった。

と言うわけで自由時間はほとんどベットに寝転んていた。
恐らく一日20時間以上は寝転んて過ごしていただろう。

つづく